浮き指という両足重心で立つ際に、5本の指のいずれか、もしくは複数が地面に接することなく浮いてしまっている症状があります。
浮き指の原因は、足指が十分使われずに日常生活を繰り返してきたため、筋肉が発達していないことがあげられます。
また、長年の癖がつき、踵の過回内(踵の骨が内側に倒れ過ぎた状態)・過回外(踵の骨が外側に倒れ過ぎた状態)が影響していることも。
子供の時に、たくさん歩いていれば浮き指になることは少ないですが、車社会や遊びの多様化で外に出る機会の減少など、いくつか考えられます。
そのため、浮き指は現代社会の子供に多く見られるようになったという話もあります。
また、大人になってからも、ヒールをはじめ足指に力が入らないような靴を履き続けたことにより、足の筋肉が徐々に衰えたというケースも考えられます。
軽い浮き指では、それほど気づきにくく、気づいたとしてもあまり気にしないという人もいます。日常生活も大きな弊害があるわけでなく、難なく過ごせてしまうからという理由もあるかもしれません。
しかし、浮き指が悪化すると、体の様々な部分に影響が起こります。例えば、腰痛や肩こり、巻き爪、下半身太りなど、できることなら何とかしたい症状の原因ということも。
▼関連記事【浮き指 原因 ヒール】女性の浮き指の原因はヒール!理学療法士が教える足の痛みを解決する方法
ちょっとした変化ともいえる浮き指は、インソールを活用することや運動する機会を増やすなど、様々な解消法があります。今回紹介するテーピングの方法も、浮き指に効果のあるやり方のひとつです。
そして、当サイトの監修をしていただいている、理学療法士の宮野先生による、テーピングの実演から、ポイントとなるところを解説いただきました。
もし、浮き指で悩まれている方がいたら、簡単にできるテーピング法もありますので、参考にしてください。
この記事の監修者
宮野先生
浮き指を治すテーピングに使うテープの選び方
浮き指を治すテーピング用のサージカルテープ選びとして、ドラッグストアで簡単に手に入るものを活用します。
Amazonや楽天などで見つけられる、大容量のサージカルテープの方がお得でもありますが、まずテーピングの慣れも含めて、手軽に入手できるものを選びました。使い慣れてきたら、大容量のアイテムを手に入れても良いです。
扁平足やこんにゃく足などの矯正にも使えるキネシオロジーテープは、種類もいくつかあります。
今回用意したのは、5cm幅のテープです。幅広のものでも、カットしながら使っていくこともできるため、幅が7cmのものでも大丈夫です。しかし、総じて5cm幅のキネシオロジーテープの方が扱いやすいというメリットもあります。
浮き指のテーピング一例!内側の指はアーチ形成で対処
5本ある足の指のどこが浮き指になっているかでテーピングの方法が変わっています。浮き指のテーピングの前提は、人それぞれ筋肉のつき方など細かいところで異なるため、理学療法士の方に直接教えてもらうと良いでしょう。
今回のテーピングは一例として参考にしてもらえたらと思います。
また、浮き指になることで足の指が上手く使えないという問題点が考えられます。つまり、足指の稼働領域を増やし、使いやすくすることが、解決に繋がると考えられます。
小指の浮き指を治すテーピング法
まず、足の長さより3cm程度長いテープを用意します。そして、2.5cm幅にカットします。
今回、5cm幅のキネシオロジーテープを活用しているため、真ん中にハサミを入れて、二分するというイメージです。
今回は、二本とも使います。また、足の指に巻きつけていくイメージなため、テープ幅を細くして使います。3cm幅のテープなら、そのまま使ってもかまいません。
小指の付け根あたりに一回貼り付け、指の裏側を通し、小指に巻きつけます。
その後、足の側面から足裏を通し、内側からクロスし、かかとで固定します。
次に、小指を上からテーピングしていき、補強します。
先程は、足裏を逆側から通し、かかとに巻きつけましたが、今度は外側(小指側)を通します
小指に対して、下からも上からもテーピングを施した巻き方の足裏は、上記写真のような感じです。
テーピングをやってもらった女性も、感覚が全然違うと喜んでいました。
小指の場合、明らかな浮き指として地面から浮く場合もあれば、回転しながら浮く場合もあります。どちらの症状でも対応できるのが今回のようなテーピングの強みです。
母趾(親指)の浮き指テーピング法
母趾(足の親指)の浮き指のテーピングも、基本的には小指と同じ考えで大丈夫です。母趾の付け根を始点とし、親指に対して、外側から内側に巻きつけます。
付け根からかかとに対して引っ張っていきますが、足の裏をいったん通し、外側からかかとに向かって巻きつけます。
自分一人ででも手軽にできる方法ですが、テープの巻き方によって指が下の方へ向く、向きにくいなどありますので、色々と試してみてください。
テーピングした後に、両足重心で立ってみて、浮いていた足指の感覚が異なり、動かしやすいとなっていれば、良いテーピングです。
人差し指、中指、薬指の浮き指テーピングは?
親指や小指など、外側の指の場合、対象となる指を巻きつけることで、対処できます。
確かに、テープを長くして、内側の指に対して同じように巻く方法が有効のように感じます。
しかし、リハビリなどの現場ではあまりやらず、浮き指の根本原因となり得る、縦アーチの形成で対処すると宮野先生は解説します。
浮き指をはじめ、足指がしっかり使えていない原因のひとつに、舟状骨を頂点とする縦のアーチがしっかり作られていないというのがあげられます。
ただ、縦アーチの潰れが浮き指の原因のひとつではありますが、踵の過回内・過回外が原因というのも考えられます。
浮き指の原因を理学療法士の方に見てもらってから、アプローチをするのが望ましいでしょう。
扁平足を治すテーピングの方法は、足の縦アーチをしっかり作ります。どうしても浮いている足指に視点が行きがちですが、足全体を俯瞰し、効率的な巻き方で対処していくと良いでしょう。
また、縦アーチをしっかり作るという前提なら、複数本の足指が浮き指になっていたとしても、同時に対処できます。
浮き指の状態によって適切なテーピングがありますので、正しくはお近くの理学療法士の先生にぴったりなやり方を教わってください。
▼関連記事【扁平足の治し方 テーピング】扁平足の痛みを治すテーピングの巻き方3選!理学療法士が患者に実演して解説
まとめ
浮き指をテーピングで治す方法は、指によって変わります。親指や小指なら、足指にアプローチした巻き方がおすすめです。
しかし、内側の指(人差し指、中指、薬指)は直接、指に対してテーピングを行うのではなく、土踏まずの縦アーチをしっかり形作ってあげることで、足指が使いやすくなるため、効果的な巻き方といえます。
モートン病のような重度の浮き指の場合は、整形外科の先生に診てもらい、個別でテーピングの方法を教えてもらうと良いでしょう。
浮き指は、単純に足の指が地面に接していないだけ、と考えるのではなく、腰痛や足のむくみ、足底腱膜炎など、様々な症状の原因とも考えられます。
普段どおり生活ができていると見過ごすのではなく、足指以外に抱えるトラブルを解決するという前提で、浮き指を治してください。もしかしたら、体の悩みが一気に解決するかもしれませんよ。