こんにゃく足という、ぐにゃっと柔らかい足は、靭帯が弱く横アーチが簡単に崩れてしまう症状があります。立ち姿勢と足を宙に浮かしている状態とで足幅が約2cmも差が出てきます。
靴選びが大変になるだけでなく、数分間歩いただけでも足の指の付け根付近が痛みだしてくる症状を持つ人もいます。
こんにゃく足は、先天性(生まれつき)の症状をお持ちの方もいれば、幼少期の運動習慣のなさや、事故など、後天性のものもあります。
どちらにしても普段の生活に支障をきたすこともあり、テーピングやアーチサポートインソール、靴選びなどで対処していくことになります。
本来なら、横アーチを支える筋肉を鍛えることによって改善されますが、いきなり行うにもハードルが高いです。
本記事では、こんにゃく足の方に向けた、自分でできる簡単なテーピング法をまとめました。監修も頂いている理学療法士の宮野先生に実演していただき、テーピングをする際にポイントとなるところを聞き、わかりやすく押さえました。
この記事の監修者
宮野先生
また、足モデルを志願した女性は、外反母趾や扁平足気味であるものの、こんにゃく足をお持ちの方ではありません。ご了承ください。
なお、こんにゃく足の症状やその他の治し方については、別記事でまとめていますので、合わせて参考にしてください。
▼【こんにゃく足 治し方】こんにゃく足の90日矯正法・治し方!柔らかい足が引き起こすトラブル
こんにゃく足を矯正するサージカルテープの選び方
こんにゃく足を矯正するために活用するサージカルテープ(医療用テープ)の選び方から軽く触れていきます。
今回、実演していただく上で推薦していただけたのは、伸縮タイプのキネシオロジーテープの5cm幅です。マツモトキヨシやツルハドラッグなど、ドラッグストアであれば取り扱いがあるため、入手しやすいです。
キネシオロジーテープの中には、伸縮性のあり、なしがあるため、間違えないようにしてください。足に施すテーピングは日常生活の動作により、筋肉の緊張や収縮が行われます。そのため、伸縮性がないものでは、ガチガチに固まり、筋肉が使えなくなってしまいます。
ちなみに、サージカルテープは低刺激かつ通気性もあり、弱粘性なものの幅が広くなるほど粘着が強くなるという性質があります。テーピングしていても、それほど気にならないでしょう。
敏感肌な方は、ドラッグストアでお求めになる際、「より刺激が少ないものをください」と聞いてみると良いです。
こんにゃく足のテーピング矯正法!ギュッと巻くだけ
こんにゃく足のテーピング矯正法を紹介します。合言葉は、「ギュッと巻くだけ」。そのため、かなり簡単にできるようになると思います。
テーピング前の事前準備
事前準備として、5cm幅の伸縮性のあるキネシオロジーテープを、足幅の倍の長さ+5cm程度にカットします。こんにゃく足の原因である横アーチを支えるため、ぐるっと巻いていくことになりますが、1周してテープが3cm程度重なると固定もしやすくなります。
ちなみに、測る場所は、靴で言うところのワイズ(足囲)と呼ばれるポイントです。
足指の付け根の一番幅広い箇所とイメージするとわかりやすいかもしれません。外反母趾の方は、母趾の付け根のでっぱりより少しかかと寄りと思ってもいいです。
自分の足囲(ワイズ)長さのテープを、3つ用意します。
これで準備完了です。
包帯を巻くように3周!意識するのは横アーチの形成
こんにゃく足のテーピング法は簡単で、包帯を巻くように3回巻きます。とはいえ、ぐるぐる巻くのではなく、1周巻くのを3回行うイメージです。
テーピングを施す際に意識するのは、横アーチの形成です。
足の甲の中央部を始点とし、小指側を通り、足裏を貼り、母趾(足の親指)の方から足の甲へと戻っていきます。
テーピングの位置は、母趾の付け根の少し下の位置。母趾の付け根のでっぱりと被らないことが重要です。
1周巻けたら、テープを半分重ね、2周目、3周目と合計3回繰り返します。
キネシオロジーテープを貼る際に、テープを巻く手とは逆の手で、足の甲側から、包み込み(横アーチを作るようにサポートするとうまくいきやすいです。また、テープをぐるりと巻いて、母趾から甲へと戻る際にもテンションをかけると横アーチを作りやすいです。
足囲に沿って3回巻く方法が、一番簡単なテーピング法です。
なお、ほかのテーピング法も、足囲に沿って巻く工程があれば、横アーチを形成するのに有効なため、こんにゃく足に有効だと考えられます。
外反母趾と合わせたテーピング法
こんにゃく足+扁平足やこんにゃく足+外反母趾など、症状が併発している方に有効なテーピング法も紹介します。
詳しくは、【扁平足 テーピング】の記事で紹介したテーピング法がひとつの参考になります。
▼関連記事【扁平足の治し方 テーピング】扁平足の痛みを治すテーピングの巻き方3選!理学療法士が患者に実演して解説
足の長さ+5cm程度長くカットしたテープの片方に切れ込みを入れていきます。中央に切れ込みを入れるため、二股に分けられます。
外反母趾のでっぱりを始点とし、二股に分かれた部分を親指に巻きつけ固定。あとは、かかとに向かって軽くテンションをかけながら、テーピングを施す(縦アーチの形成)。
足囲より3cm程度長くカットしたテープを使い、甲にふわっと乗せ、横アーチを意識し、ぐるっと巻いていく。記事【扁平足の治し方】で紹介したのは、足囲に巻くテーピングは一重ですが、こんにゃく足対応をするなら、二重、三重に巻いたら、横アーチの補強になります。
テーピングの巻き方は様々ありますが、要点を押さえ、縦アーチを作りたいのか、横アーチを作りたいのかを考えて施すと良いでしょう。
テーピングは最初のうちはやり慣れないかもしれませんが、何回か巻くと手際が良くなるため、頻繁にやるようにしてください。
こんにゃく足と似た症状の開帳足にも効果あり
こんにゃく足と似たような症状を持つ開帳足(かいちょうそく)にも、こんにゃく足のテーピングが有効です。
開帳足とは?
開帳足とは、どういった症状なのでしょうか。開帳足は、こんにゃく足と同様、足の横アーチが潰れてしまい、足指の付け根のあたりが広がってしまう症状です。
見た目としては、足幅が広がっているだけに思えますが、中足骨(ちゅうそっこつ)という、足の指の根元にあり、足の甲位置にある5本の骨も外側に広がります。
こんにゃく足と症状が似ていることから、同等のものと考える理学療法士の先生もいらっしゃいます。
しかし、厳密には異なると考えられます。
開帳足とこんにゃく足の違い
開帳足とこんにゃく足の共通点は、横アーチが潰れてしまっていること。横アーチが潰れたことにより、中足骨も外側に広がり、足囲や足幅のサイズが変わってしまう、体圧を足にかけると、負荷が分散しにくいため、長時間の歩行では痛みが生じるなど、日常生活に支障をきたします。
しかし、開帳足の場合は、筋肉がガチガチに固まってしまうこともありますが、こんにゃく足の場合、柔らかさは保ったままです。
開帳足の場合、アーチが潰れてしまっていることから、扁平足をかなりの確率で併発していると考えられます。
開帳足とこんにゃく足は、似たような症状ですが、別物だと考えるとテーピングなど対処の仕方も変わってきます。
開帳足にもこんにゃく足のテーピングが有効
開帳足もこんにゃく足と同様、体重や体圧の負荷を分散するための足の横アーチが崩れてしまっています。
本記事で紹介しているテーピング法は横アーチを支える巻き方です。そのため開帳足にも有効だと考えて良いでしょう。
横アーチを形成するために、中足骨の位置からかかとに向けて、3周したやり方はもちろんのこと、土踏まずのアーチも合わせて形成したいとお考えなら、外反母趾にも有効な2番目に紹介した、テーピング方をおすすめします。
テーピングのやり方だけに着目するのではなく、何が原因でこんにゃく足や開帳足の症状が出ているのかをしっかり把握し、適切なテーピングを施していきましょう。
まとめ
こんにゃく足に有効なテーピング法を紹介しました。横アーチを作るようにテーピングで固め、矯正することが、うまくいくテーピング法といえます。
今回紹介したのは、足囲(ワイズ)に沿って、横に3回巻くというやり方が、横アーチの形成に特化した巻き方です。土踏まずの縦アーチを合わせて作るなら、外反母趾も対応したテーピング法もおすすめです。
ほかにも、扁平足を治すテーピング法など、紹介しているため、合わせて参考にしてください。
▼関連記事【扁平足の治し方 テーピング】扁平足の痛みを治すテーピングの巻き方3選!理学療法士が患者に実演して解説